オフィスの引っ越し手引き
まずは優先順位の決定をしよう
オフィスの移転作業は、一般家庭の引越しに比べてもかなり手続きが煩雑になります。
移転作業中は業務も中断せざるを得ませんので、あらかじめ優先順位を決めておいてから進めなければ、かえって時間がかかってしまいます。 業種によっても細かい内容は異なってきますが、オフィスを移す場合には、できるだけ作業を中断する時間を短時間に抑える必要があります。
そのため、引越し前に移動する先のレイアウトは整えておいて、業務に必要なパソコンや書類関係を早めに搬入すると良いでしょう。もちろん、最低限の業務はできるように電気や電話、インターネット回線などをあらかじめ通しておく必要があります。 オフィスとして最低限の機能をするようになったら、次はレイアウトを考えながら設備などの搬入を行います。できるだけ早い段階で郵便物の転送や事務所移転の連絡をしておくと、業務もスムーズに継続できます。そして、事務所としての体裁が整ったら、関係官庁への届出などを行います。これらの作業で必要なものをピックアップして、自社で最も効率のよい順番をつけ、そのタイムスケジュールに従って作業をするようにしましょう。作業工程で専門家や業者が必要になることもありますので、タイムスケジュールが出来上がったら依頼したいところにも連絡を入れて、予約をとっておくようにします。頻繁に行うものではありませんので手順を考えるのも大変ですが、無駄のないスケジュールを組みましょう。
不動産屋さん相談前にチェック!次のオフィスのコンセプトは決まってますか?
そろそろオフィスを移転したい、ただそう思っているだけの状態で不動産屋さんに行っても話は進みません。まずはきちんとコンセプトを決めましょう。 そのためには、何故オフィスを移転したいと思ったのか、それを明確にすることです。今のオフィスがちょっと手狭になったから、ということなら、どれくらいの広さが必要なのか、出来れば漠然とではなく、正確な数字で考えましょう。駅が遠いから、ということであれば、どの駅でもOKなのか、それとも希望の沿線・駅があるのか、細かい条件があるならハッキリさせておきます。場所が分かりづらいから、ということであれば、大通り沿いとか駅前とか、場所をイメージします。ビルの何階か、ということも重要です。誰にでも分かるように、ビルの1階がいい、何階でもいいけれど、入口が分かりづらいのはダメ、など、しっかり想像力を膨らませてイメージしましょう。 そうした上で不動産屋さんへ行けば、不動産屋さんも、あなたの希望に合致した物件を提示しやすくなります。また、契約してしまってからやっぱりちょっと違った、という失敗もなくなります。内覧の時点で、自分の希望通りの物件かどうかをしっかり見極めることが出来るからです。
確かに、顧客の頭の中の抽象的なイメージ、今一つハッキリしない希望を具体的なものに変換しながら物件を提案するのも不動産屋さんの仕事なのかもしれませんが、顧客のコンセプトがハッキリしていれば仕事がしやすい、間違いがないのは事実です。
コンセプトが決まったらレイアウトやインテリアについても考えておきましょう
多くの例では、引っ越しの日取りや関連業者さん、そして取引先との連絡に終われる余り、
レイアウトを考えていないということは大変に良くある事態です。
いざオフィスを引っ越してから、効率よく仕事を行うための会社内の様々なOA機器や、机などの配置を取り決めるのは、今後の仕事と企業の円滑な運営に関しても避けたいところです。
出来れば事前に会社内の配置をしっかりと決めておけば、引っ越しとその後の業務もスムースに進むことでしょう。レイアウトを考えるときに合わせて考えておきたいのがインテリアです。
前のオフィスで使用していたインテリアとはイメージが異なったり、規格が合わないということも生じてきます。そのため、多くの場合、内装や設備を変更したり、家具などを変更しなければならなくなります。
このとき、見た目のイメージや大まかな大きさだけでなく、移転先に直接出向いてオフィス内のレイアウトを大体決めておき、その中に収まるものかどうか、全体的に統一感があるカなどについても実際に目で確認すると失敗が少なくてすみます。また、設置したときの状況だけでなく、新しいオフィスに搬入するときの間口の広さなどについてもきちんと確認しておきましょう。 業者によっては、新しいオフィスの間取りを決めて、必要な家具を準備して、搬入、設置してくれるようなサービスを提供しているところもありますので、大規模な移動になる場合にはこういったものを利用するのも良いでしょう。これまでのレイアウトを参考にしながら、より効率よく業務を行うことができるような配置や設備を考慮して、設置するようにしましょう。移転に関する専門のアドバイザーも居ますので、自分で家具などのインテリアを用意する場合でも、一度こういった専門家に相談して意見をもらうというのもおすすめです。
設備増設時のチェックポイント
オフィスを移転させる理由の一つに設備を増やすため手狭になった、というものがあります。
IT化が進み、パソコンが一人一台、アルバイトであってもパソコンなしでは仕事が出来ない、ということがよくあります。またレンタルサーバだけではなく自社内もサーバを増設するなどの場合、既存のオフィスでは対応できないため、やむなく移転ということもあります。増設設備については、気をつけることがいくつかあります。増設する設備などの消費電力は計算されているか、別途工事が必要な場合は、工事費がどのくらいかかるか、などです。また説示の入れ替えで省電力化が図られていたとしても、トラブルで旧設備を利用したときに電気が不足して使用不可、業務停止ということがないようにしなければなりません。
人員が増える、手狭になったなど増設設備を設置しなければならない、工事が必要などは事業が大きく育っていく中で必然的なことです。オフィスの効率的な活用は、業務だけではなく設備の効率的な活用方法に繋がることを踏まえ、費用対効果を慎重に見極める必要があります。また、多額の支出を要することも多いのである程度見極める時間なども必要になることでしょう。選択肢の中には現状のまま、あるいはリース切れだけを入れ替えるなど、変更なしというものも残しておくべきです。
移転前のオフィスクリーニングの段取りも忘れずに!
オフィス移転で見落としがちなのが、移転前のオフィスを掃除する段取りです。
目に見えた汚れが見えにくいこともオフィスの掃除は、いざ初めてみると広さや複雑さに戸惑うことも多いです。余力がない場合や原状回復に自信のない場合は、掃除のプロに頼むといいでしょう。